年収の疑問!昇給って毎年あるのでしょうか?

誰もが働く上で重要となる給料ですよね。去年より今年、今年より来年といった具合に昇給により毎月の給料が上がるとうれしいものです。
よく求人票などをみると「年1回昇給あり」など記載されていることも多くありますが、そもそも本当に毎年昇給があるのかといった疑問もお持ちではないでしょうか。
「昇給」と一口に言っても勤続年数や会社の業績、個人の評価など種類はいくつかあり昇給の仕組みにも違いがあります。
そこで昇給の種類やどのような仕組みなのか、求人で記載されている年1回昇給とあれば必ず昇給するのかなどの疑問を紐解いていきます。
定期昇給とベースアップって何が違うの?
冒頭でも述べているように昇給といっても勤続年数や業績など様々な種類があります。企業によって昇給方法も違いますのでどのような種類があるのかを確認しておきましょう。
まず昇給には「定期昇給」と「ベースアップ」の2種類ありますのでその違いを見ていきましょう。
「定期昇給」
定期昇給とは会社によって昇給の規定が定められており、勤続年数や昇格の度合いに応じて毎年一定の時期に行われる昇給のことを言います。昇給する回数や時期は企業によって違いはありますが、例として「勤続年数が1年増えるごとに、基本給が3,000円上がる」などです。
「ベースアップ」
とは勤続年数など個人の要素には関係なく、会社全体で基本給を○%上げるといった従業員全体の賃金水準を引き上げる仕組みです。例えば「2年目の従業員も3年目の従業員も年数などに関わらず一斉に基本給に○%上乗せ」ということです。
どちらも賃金が上がる昇給ですが、違いとしては個人としての昇給となるのか、従業員全体での賃上げによる昇給なのかの違いです。
その他の昇給の種類
基本的な昇給の2種類の他にも昇給には様々な種類がありますので確認しておきましょう。
1.臨時昇給
臨時昇給は時期を決めず、会社の業績が好調な場合などに臨時で行われる昇給の事です。
会社の業績が好調で、全社員の基本給を一律で引き上げた場合は「ベースアップ」となり、一部の従業員の功労を認めて昇給すれば「特別昇給」となります。
2.自動昇給
自動昇給は年齢・勤続年数を基準として自動的に昇給することです。能力・業績は関係なく、すべての従業員が定期的・一律に昇給されるため、定期昇給の一部は自動昇給に該当します。
この自動昇給がある会社としては将来の給料がある程度予測できるので、従業員にとっても会社にとってもメリットになります。
3.考課昇給
考課昇給は勤務態度や仕事への成績などの評価によって行われる昇給の事です。査定昇給とも呼ばれることもあります。定期昇給には考課昇給を含む場合があり、その場合は定期的に査定が行われ、昇給の可否・昇給率が決定されます。
4.普通昇給
普通昇給は通常の業務内で、資格取得など技術向上や勤続年数が一定に達した場合に行う昇給の事です。
5.特別昇給
特別昇給とは会社に特別な実績や功労・職務など、特別な理由に基づいて行う昇給の事です。
このように昇給と一口で言っても様々な種類があり、昇給に対しての方法も違いがあります。何がどのような昇給にあたるのかを知っておくことで昇給をした際にも自身のモチベーションにもつながるでしょう。

求人情報の「昇給年1回」は必ず昇給するの?
「昇給年1回」と書かれていても必ずしも昇給するとは限りません。実際にこのように書かれていたとしても毎年の昇給はないうえに、入社してからも全くないという会社も少なくありません。
求人情報などで確認できるのは昇給の有無や、前年度に昇給があったかなど実績程度で、昇給制度の詳しい中身まではわかりません。
会社としては業績、経営状態、個人の成績など様々なことを考慮した結果、昇給はなしとなることもあり得ます。会社も業績が良くなければ従業員に対して昇給することもできません。
このように求人情報で書かれている「昇給年1回」というのは「必ず昇給するとは限らないが、年1回は昇給する機会がある」という意味になります。
昇給年1回が実施されないことに問題はないのか
従業員としては「昇給年1回」と書かれているのに昇給されないことで理不尽に思う方もいらっしゃるでしょう。ですが、前述でもあるように会社の業績や、前年の評価が悪い社員には当然昇給はされないこともあります。場合によっては減給となるケースもあります。このように必ずしも毎年昇給しなければいけないわけではありませんし、昇給しないからと言ってその企業が何か罰則を科せられることや問題視されることはありません。
ただし、就業規則などで「○月に毎年昇給する」などと定められている場合はその義務が発生します。ただ、「会社の業績の著しい低下、そのほかのやむを得ない事由がある場合はその限りではない」といった但し書きがある場合は昇給を行わなくてもよいということになります。
ただ、昇給がないからと諦める必要はありません。最近の企業では年功序列制度の廃止などに伴い、賃金制度も見直す傾向にあります。企業によっては定期昇給を廃止し、会社と従業員ともにメリットの出る成果や貢献度に応じた給与規定に変更する会社も増えてきています。
自身の努力や業績が認められ給与へとつながることもありますので仕事へのモチベーションにもつながります。
仕事を選ぶ際には総合的に判断しましょう
昇給には定期昇給やベースアップ、その他にも様々な種類があり、その昇給に際しても昇給条件や昇給額など企業によっても様々ですし、必ずしも昇給するとも限らないことを理解していただけたと思います。
現在の勤め先での昇給について知りたい場合はまず就業規則の確認をしてみましょう。「定期昇給」と記載があったとしても但し書きなどで「必ず上がる」という意味ではないことが多いので、細かくチェックしてみましょう。
仕事を選ぶ際には、基本給など月収だけでなく昇給制度にも着目しておくとよいでしょう。また、面接で昇給について確認する際は待遇目的の転職と思われないよう、聞き方やタイミングに注意しておきましょう。 給与はとても重要な要素ですが、昇給制度があるからと言って必ずしも毎年上がるというわけではありません。仕事を選ぶ際には業務内容や労働環境なども総合的に判断することを忘れないようにしておきましょう。