セクハラ?派手な洋服を指摘したら怒られますか?

仕事をする上でどのような服装が適切なのか。ここ数年、働き方改革や経費削減などで制服が廃止になる会社も増えました。
働きやすい自由な服装「オフィスカジュアル」この定義は幅広く、明らかなマナー違反な服装も少なくありません。
出社してきた女性社員のスカートの丈が短かったり、背中が大きくあいた服装をしていたりすると、男性社員からすると目のやり場に困るでしょう。
また、職場にふさわしくない服装で出社する社員を見過ごしていると、もし取引先の方と会う機会があった場合に「社会人としてのマナーがなっていない」と対外的にも印象を悪くしてしまう可能性もあります。
そんなマナー違反を指摘することで社員から「なぜ服装の事を言われなければいけないんですか?」なんて逆に怒られることもあるのではないでしょうか。
さらに、服装が派手だからと間違えた指摘をすることで、「セクハラ」や「パワハラ」などと、思わぬ事態に発展してしまうこともあります。
仕事に適した服装と適していない服装について、NGな服装は指摘をするべきなのか、指摘するのであればどのように伝えたらよいのかなど、ハラスメントにならないためにもポイントを押さえ、適切に注意する方法を知ることが大切です。
オフィスカジュアルの一般的なスタイルのポイントとは。
まず、仕事に適した服装「オフィスカジュアル」とは何なのかを知っておきましょう。オフィスカジュアルとはフォーマルよりも少しカジュアルと言う意味で、基本的にはトップスはシャツやカットソー、ボトムはパンツまたはスカート、はおるときはジャケットまたはカーディガンが一般的なスタイルです。
会社によってはもう少し崩してもいいなどもありますが「清潔感と上品さ」「シンプルでベーシックなカラー」「職場の雰囲気に馴染んでいるか」がポイントとなります。
一般的なスタイルを理解しておくことで、どこまでが適切でどこからが不適切となるのか基準として知っておくことで指摘するかどうかの判断もとることができます。
オフィスカジュアルに適していないNGな服装は?
指摘する際にどのようなものがNGとなるのかも知っておくことが重要です。オフィスカジュアルに適していないNGな服装として以下の点に注意しておきましょう。
・露出が高すぎる服装
オフィスカジュアルでは胸元が大きく開いたトップスやオフショルダーのトップス、ミニスカートやショートパンツなど露出が高い服装は基本的にはNGです。
露出が高いと「いやらしく」「下品」に見えてしまうことがあり、ビジネスシーンでは「不快感が強く」良い印象を持ってもらえない可能性もあります。
・ボディラインがわかる服装
露出が少なくとも、ボディラインがはっきりと目立ってしまうような服装はNGです。
オフィスカジュアルでタイトなスカートを使うこともあるでしょうが、ボディラインがわかってしまうような服装は控えましょう。
露出度の高い服装と同様、人によっては「不快感を与える」ことがあります。
・派手なカラーやデザイン
おしゃれに着こなしていても、派手なカラーや装飾が多くついたデザインだと、チャラついた軽い印象を与えてしまう可能性があります。また、派手さをプラスしてしまうメイクやアクセサリーにも注意しましょう。
どのように指摘すると効果的?指摘をするときのポイント
洋服の派手さを指摘する際に、「なぜその服装がダメなのか」をきちんと説明することが重要です。なにがダメなのかを説明できず、「シワシワの服はダメだ」「スカートが短いからダメだ」「胸元が開きすぎているからダメだ」などと服装だけを指摘してしまうとパワハラやセクハラとして捉えられかねません。
指摘するときには以下の3つのポイントを押さえておくようにしましょう。
① 業務に関係ないことを言わないようにする。
指摘をする際には、プライベートなことに踏み込みすぎないようにすることが大切です。
「今日はいつもよりおしゃれして、デートでも?」「昨日と同じネクタイだけと、家に帰らなかったの?」などと言った声かけは「プライベートに踏み込まれた」と不快に思われ、ハラスメントとして捉えられてしまう可能性があります。
私情は挟まずに、簡潔に伝えるようにしましょう。
② 職場に相応しくない理由を明確にし、具体的に指摘をする。
次に、なぜその服装が職場や仕事に相応しくないのかを明確にすることが必要です。「なんとなく職場に合わない」など曖昧な言葉では何がどう相応しくないのかが伝わりません。職場に合った服装かどうかの判断基準は職種や職場などによって違いますし、お客様と接する業務か、内勤なのかなどによっても違ってきます。相応しくない理由を明確にすることが指摘するときのポイントとなります。
さらに、具体的にどのように直すとよいのかを示すことも大切です。落ち着いた色の服装にしてほしいなど曖昧な伝え方をしてしまうと、相手もどのような色合いがいいのかわかりません。それぞれ趣味嗜好も違いファッションセンス、派手さ、落ち着いた色合いなども違いがあります。指摘する際はスカートの丈が短いのであれば、どの程度の長さがであれば適切なのか、派手な色の服装であれば、どの色合いが相応しいのかなど、具体的に伝えるようにしましょう。
「場所」と「タイミング」にも考慮する
服装を注意する時には、言い方だけではありません。「場所」と「タイミング」を間違えてしまうとセクハラやパワハラとなってしまう可能性もあります。
注意をする際は「一対一で話せるところ」で「気になった時点」に行うことが基本です。周りに人がいる状況で服装の指摘をすると、恥をかかせてしまいます。また、「あの時の服装は・・・」など過去に遡って注意すると「なんで今更??」と相手に不信感を抱かせてしまうことになりかねません。
特に女性に指摘するときは注意しよう。セクハラと捉えられるかも。

女性に服装の事を指摘する際には特に注意が必要です。ましてや男性から女性へ服装に対して指摘をすることでセクハラと言われてしまう可能性があるからです。
スカートの丈や胸元が大きく開いた服装、タイトスカートなど、ファッションは様々で、趣味も人それぞれですが不適切な服装であった場合にそれを指摘したことで「何を見ているのですか?」「そんなところばかり見ているのですか?それってセクハラですよ?」と言われかねません。
そのようなときは前述に述べているように3つのポイントを押さえて注意するようにしましょう。
また、女性社員の個性を考慮して、同性の社員から注意してもらうことも一つの方法です。
セクハラ、パワハラにならない指摘の方法を身につけることが大切
ハラスメントを恐れて注意できないとなるとそれは会社としても問題ですよね。自分自身に他意はなくとも相手がセクハラだと思えばセクハラに該当してしまう場合もあります。ただ、派手な服装を指摘することはセクハラではありませんので、セクハラにならない適切な言い方で指摘をする方法を身につけることが重要です。
指摘をする際は「服装が気になったらすぐに」「一対一になれる場所で」「業務に関係がないことは言わないようにし」「仕事として相応しくないことを明確にし、具体的に指摘する」これらのポイントを押さえ伝えるようにしましょう。