年収の疑問!賞与ってどれくらいもらえるの?

求人情報などでよく見る「賞与(ボーナス)年2回」「決算賞与あり」など書かれていることがあります。

このように書かれていてある企業にお勤めの方であれば毎年のボーナスの支給を楽しみにされていることでしょう。毎月の給与とは別に支払われる特別となる賞与ですので、賞与が出るか出ないかというところは、仕事をするうえで重要なポイントとなりますよね。

そこでまず、賞与の種類や支給時期などの基本的なところから、もし賞与がもらえるとするのであれば給料の何か月分もらえるのかなど賞与に関しての疑問をいくつか見ていきたいと思います。

賞与(ボーナス)と決算賞与は違う

まず、一般的に「ボーナス」と言われる賞与と、決算賞与とでは違うことをご存じでしょうか。同じように毎月の給料とは別に会社側から支給されるものではありますが、時期などにも違いがあります。

賞与(ボーナス)の支給時期は?

賞与とはボーナスともいわれ、多くの企業で年2回の6月と12月、夏と冬に社員に支給される特別な給与のことをいいます。支給の時期や回数などに特別規定などはなく、年に複数回支給される企業や、賞与が支給されない企業もあります。

支給される企業にお勤めであれば、よほどの経営悪化がない限りは、毎年決まった時期に支給されます。

決算賞与の支給時期は?

決算賞与は、「臨時賞与」「特別賞与」「年度末手当」など企業によって呼び方に違いがありますが、「その年の会社の業績に応じて社員へ還元する臨時の賞与」のことを言います。事業年度終了の翌日から1か月以内の支払いとなりますので、多くの企業では3月、6月、12月のいずれかが決算月となり、その翌月末までに支給されます。

「業績に応じて」とあるように、決算の際に業績が良ければ支給されますが、悪ければ当然支給されません。また、業績が良いからと言って必ずしも支給されるというわけではありません。支給の有無から、対象者、支給額など、企業側の裁量で決定することができます。

どちらにも言えることではありますが、会社の業績が悪ければ毎年支払われていた賞与も前年よりも少ないことや、支給されないといったケースもありますので心得ておきましょう。

賞与って平均何か月分支給されるの?

賞与の支給金額は、一般的に基本給をベースとして計算されます。よく耳にするのが「基本給の○か月分」や「基本給の○%分」といった基準を定めている企業がほとんどです。ですが、業績連携型といった基準を定める企業も近年増加しています。

また、「給料の○か月分」などと言われることも多いですが、賞与の金額の元となるのはあくまでも「基本給」となりますので、基本給以外の諸手当などは含まれませんので注意しておきましょう。あくまでも一般的な基準ですので、実際の賞与の支給額は会社ごとの賃金規定に従って計算されますので、この限りではありません。

どちらの賞与にも言えることですが、業績悪化などの理由で支給されないこともありますので、運営規定や賃金規定など会社で決められているルールを確認しておきましょう。

賞与の金額は誰が決めているの?

賞与等の違いなどとみていきましたが、そもそも「賞与の金額は誰が決めているのか」ですが、こちらは会社によっても違いますし、会社の規模にもより違いがあります。

従業員数が数名から数十名の中小企業の多くは経営者が概ね把握をしていることも多く経営者が決める場合が多いようですが、中堅企業となるとそれぞれ部署や部門があることも多いため、その各部署の責任者が人事考課を行い、客観的な計算に基づき賞与額が決められます。

このように賞与の金額には経営者だけでなく、自分の業績や能力などに応じて賞与の金額も決まる人事考課を採用されていることも多くあります。

 

人事考課は賞与だけではない 昇給・昇格など年収にも影響がある

では人事考課とは、いったいどのようなもので何を評価するのかについてですが、ただ売り上げなどの業績が良いだけが評価基準となるわけではありません。社員に対する能力や勤務態度、協調性なども総合的に評価したものをいいます。

この人事考課は、賞与の査定だけでなく昇給や昇進、能力に合った配置転換や研修、人材育成にも関わってきます

どのような評価をするの?

人事考課の評価基準には「業績考課」「能力考課」「情意考課」の3種類があります。

●業績考課は「評価期間でどの程度目標を達成できたか」を査定します。会社が得た利益や貢献度や売り上げなど数値化できるものを目安に行われます。事務職など数値化できない場合はあらかじめ会社ごとに定められた目標に対し、どのくらいの達成率かも評価基準となります。

●能力考課は従業員が仕事を通じて身につけたスキルや資格など獲得した能力の他に、業績が出せていない場合でも困難な仕事に取り組んだことや指導力、企画力や実行力、改善力、などそれぞれ社員一人一人が持っている能力などが評価されます。

●情意考課は従業員の業務態度など仕事への積極性や責任感、会社のルールを守る起立性や他社とのコミュニケーションをとることができる協調性などが査定ポイントとなります。

経験が浅く、知識もまだまだ及ばない場合であっても今後に期待できる要素を持っているなど仕事への意欲に対して高く評価をしていきます。ですが、一方評価する管理職や人事部などの評価者による主観が入りやすくなります。

このように人事考課には業績などの数字だけでなく、会社への貢献度、本人の自己評価や勤務態度など評価対象となります。

中途採用でも賞与は支給してくれるの?

中途採用の場合では賞与が支給されないことも少なくありません。理由として、企業は賞与の支給額を決めるために査定期間を設けており、その期間の勤務態度や成績と企業の利益などを考慮して支給額が決まるためです。途中入社した場合、査定期間中での在籍期間が短い、もしくは在籍していなかったなどの理由で支給されない、寸志といった支給額になります。

このように入社したばかりでは会社への貢献度も高くはないはずですので、満額の支給ではないと考えておきましょう。

会社にもよりますが、入社1年目の社員には賞与が出ないとなるとモチベーションにも関わるなどの考えから「寸志」程度の支給されることもあります。

賞与の支給により年収も上がる

賞与は一体どれくらいもらえるのか、支給される額の計算方法や金額の決め方などになるところを紹介させていただきました。お勤めの会社の規模や仕組みやなどにより違いがありますが、年に1回や2回など臨時で支給されるとうれしいものです。ちなみに支給される賞与も毎月の給与と同じで額面の金額からこれらの所得税、社会保険料を差し引いた金額が支給されます

ここで紹介させていただいた人事考課の査定基準となる「業績考課」「能力考課」「情意考課」の3種類は昇給や昇格など今後にも関わるものとなります。さらに昇給や昇格につなげることができたのであれば今後の賞与額も大きく変わってきますので、今よりさらに年収を上げていくことも可能となるでしょう。