パワハラ相談!無理な業務を押しつけられたときの断り方は?

日々の業務をする中で、様々な仕事があります。普段の業務に加え上司からの指示で急に「○時までにこの業務をやってくれ」「終わりが見えない仕事を頼まれた」「自分一人だけに仕事が集中する」など長時間労働、無理難題、過度な要求をされた方もいるのではないでしょうか。
頼まれたからやるしかないと思いつつも文句を言えず、嫌々仕事をしている人も少なくないのではないでしょうか。ですが、明らかに自分の能力を超えた仕事量を振るという行為は「過度な要求」のパワハラに該当します。
この「過度な要求」についての特徴と、パワハラにあたる言動・行動についてと断り方についてみていきます。
パワハラの定義を理解しておく
パワハラの定義として「職場で働く者に対して、職務上の地位や人間関係などの職場内での優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて、精神的・身体的苦痛を与えるまたは職場環境を悪化させる行為」とされています。
パワハラというと、一般的に上司が部下に対して行うイメージがありますが、先輩と後輩、部下から上司、同僚同士など職場でのあらゆる関係で成立します。定義の中にある「職場内での優位性」とは地位だけではなく、経験や知識なども含まれています。
また、この定義にも大きく分けて下記の6つに分けられています。
1.身体的な攻撃
殴る、蹴るなどの相手の体に危害を与える行為(物を投げる、物で叩くなど直接的に相手の体に触れていない場合も該当します)
2.精神的な攻撃
脅しや暴言、侮辱、名誉を棄損する発言などによって、相手の精神的なダメージを与える行為(言葉だけでなく、メールやSNSなどによる攻撃も含まれます)
3.人間関係からの切り離し
隔離や挨拶、報告の無視、仲間外れなど対象者を孤立させる行為
4.過大な要求
明らかに一人では遂行が不可能な仕事、もしくは長時間労働をしない限り完遂することができない無理難題の仕事を要求する行為(業務とは関係のない私的な仕事を押し付けることも該当します)
5.過小な要求
過大な要求とは逆に、社員の能力や経験とかけ離れた、無視した明らかに程度の低い仕事を命じることや、仕事を与えない行為
6.個の侵害
個人のプライバシーを侵害する行為(交際相手や家族に関すること、有給申請時にどこに何をしに行くか報告させるなど私的なことを聞き出す行為)
これらの6つがパワハラの主な行為として挙げられていますが、これら以外の行為もパワハラに該当することもありますので注意が必要です。
パワハラ行為「過大な要求」とは
上記の6つのパワハラ行為のうち、今回のテーマとなる「過大な要求」とは「業務上明らかに不要なことや、遂行不可能なことの強制・仕事の妨害」の事を言います。
まず、何が「過大な要求」にあたるのかを見ていきましょう。
明らかに「達成不可能」なノルマ
営業職の場合ですと、毎月のノルマがありそれに向けて仕事をしていきますが、単にノルマを課せられること事態は「過大な要求」とは言えません。そのノルマを著しく上回り、その会社の規模からして「達成不可能」と考えられるようなノルマを設定・強要された場合においては「過大な要求」となります。
終わりの見えない仕事量
明らかに必要のない雑務を「今日中に終わらせてほしい」と押し付ける行為や、今はしなくてもいいような膨大な書類整理を命じられ「終わるまでは残業」と押し付けられるなどが当たります。
未経験の仕事を振られる
これまで経験したことがない仕事を振られただけでは「過大な要求」にあたるわけではありません。
もちろん経験をしたことがない業務をするということは精神的な苦痛を受けることもありますが、この場合は今までの経験を踏まえてこの仕事に活かしてほしい、次のステップに進んでほしいためにチャレンジしてほしいなど期待の意味も含まれるからです。
ですが、全くの経験したことがなく、明らかに今までの経験を活かそうとしても不可能な仕事、どう考えても達成することができない仕事を振られた場合はパワハラになります。
仕事量が一人だけ多い
会社の繁忙期や会社が忙しいなど、業務上の必要性から通常よりも他の従業員より仕事量が増すなどの場合はパワハラには当たりません。この場合の仕事量の増加は人手不足などが問題となります。
また、特別な技能を持っていてその人しかできない業務などがあり、仕事が集中する場合も「過大な要求」にあたりません。
ここで言う「仕事量が一人だけ多い」というものは同じ環境(技術や能力、立場)であるにも関わらず、自分だけ業務が集中している場合の事を言います。同じ立場、同じ資格を持っているのに自分にだけ仕事量が著しく多い場合は「過大な要求」パワハラにあたる場合があります。

無理な業務を押し付けられたら断る勇気も必要
仕事をする上で「過大な要求」を科せられることがパワハラにあたりますが、日常的に続くことで様々な場面において支障も出てきます。自分自身を守るためにも無理な業務量であるのであれば、断る勇気も必要です。
ではどのように断るとよいのかですが、はっきりと意思を伝えるようにしましょう。ですが、ただ単に断るだけだと「言い返してくる」「反抗的な態度」と受け取られ、状況が悪化することもあります。
ですので、断る方法として「相手を怒らせない上手な断り方を身につける」ことが必要です。
断る際には「まず肯定し、断る理由を述べ、可能であれば代替案を提案する」
このようにまず「引き受ける意思がある」ことを見せましょう。その上で、合理的・倫理的な理由で不可能であることを伝えます。可能であれば代替え案を提案することができればいいですね。
パワハラ相談窓口に相談をする
それでも自分だけでは対処できない場合もあります。そのような場合は迷わずに誰かに相談するようにしましょう。パワハラを受けることで腹も立ちますし、ストレスもたまるでしょう。
ですが、仕返しなどではなく、相談することでパワハラを回避することも可能となります。
相談は会社内に設置されている相談窓口や外部の専門機関に相談することも大切です。相談をする場合は社内外両方に相談することをお勧めします。社外の相談窓口は厚生労働省や全国労働組合総連合などが無料で電話やメールでの相談に対応しています。状況に応じて会社側に改善を求めてくれるケースもありますので解決に結びつくことにもなるでしょう。