転職が決まってから退職するべき?それとも退職してから活動すべき?

2022-8-2

「転職がしたい!」と思った時、先に転職活動をするべきか?退職してから活動するべきか?誰しも迷うのではないでしょうか。
正解があるものではないため、簡単には決められないですし、ひょっとしたら今後の人生を変えてしまうかもしれないほど重要な問題です。
次の転職先を早く見つけたいという気持ちもありますが、お世話になった今の職場になるべく迷惑をかけたくないと考える人も多いでしょう。
今回は、転職を先にした場合と退職を先にした場合、それぞれどのようなメリット・デメリットがあるのかという視点で考察したいと思います。

転職活動をしてから退職するメリット

転職活動をしてから退職するメリットは以下の4つが考えられます。

① 収入が途切れないので生活に支障が出ない
② 退職に伴う税金や保険の手続きが必要ない
③ 焦らずに転職活動ができる
④ 引き止められる可能性が低くなる

転職を考えた上で一番心配なのが収入についてですが、次の仕事が決まっていれば収入が途切れることがないため生活に支障が出ることがありません。
収入があることで心に余裕が生まれ、焦らず自分の条件に合った転職先を決めることができますし、ある程度転職活動期間を長く設定することもできます
また、失業期間が発生しないため各種税金や社会保険など手続きも不要です。
そして現在の勤務先に退職したい旨を伝えた際に、次の転職先が決まっていれば退職の先延ばしや、引き止められる可能性が低くなるというメリットがあります。

転職活動をしてから退職するデメリット

転職活動をしてから退職するデメリットは以下の4つが考えられます。

① 現在の仕事が忙しいと転職活動に割ける時間が少ない
② 早期入社を求められる企業に採用されない可能性がある
③ 現在の勤務先をやめる時期と新しい勤務先の入社日を調整する必要がある
④ 現在の勤務先に引き止められた場合、退職日がずれる可能性がある

現在の仕事と並行して転職活動をする場合、どうしても転職活動に充てられる時間が限られてしまいます。
転職活動には、情報収集・履歴書作成などの応募作業、筆記試験・面接、スキルアップや資格試験の取得に向けた勉強など、やるべきことがたくさんあるため、働きながらであればそれらの時間を十分に確保するのが難しいというのが懸念点です
面接が複数回ある企業であれば、1つ1つの面接までの期間が極めて短いケースもあります。
面接の時間は日中であることが多いため、急に決まった面接に合わせるための時間調整や仕事のやりくりに苦労することもあるでしょう。
より良い人材確保のために早期入社を求める企業も少なくないため、現在勤務中の職場がある場合、採用の段階で嫌煙される可能性もあります
また、現在の勤務先に退職を伝えてから退職日を決めることになるため、仕事の状況によっては必ずしも退職日の希望が通るとは限らず、次の勤務先に入社日の調整をお願いする必要があることを考慮に入れておきましょう。

退職してから転職活動をするメリット

退職してから転職活動をするメリットは以下の3つが考えられます。

① 時間に余裕があるため、自分の条件に合った求人を探すことができる
② 転職活動に専念できる
③ スキルアップや資格取得の時間が取れる

退職をしてから転職活動をする場合、時間の制約がないため自分の条件に合った企業をじっくり検討することができます。
転職活動に専念できるため面接の日程調整や入社日の調整がしやすく、スムーズに選考を進めてもらえる可能性が高いこともあり、転職先の選択肢が増えるというメリットがあります。
また、勉強時間を割いてスキルを身に着けたり資格を取得したりすれば、さらに転職活動が有利になるでしょう。
日々の仕事に忙殺されていると自分と向き合って考える時間が取りづらいため、退職してから、本当に自分がやりたい仕事は何か、実現したいことは何かということを見つめ直すのもいいでしょう

退職してから転職活動をするデメリット

退職してから転職活動をするデメリットは以下の3つが考えられます。

①収入がなくなってしまう
②職歴に空白期間ができてしまう
③転職先がすぐに決まるとは限らない

退職後に転職活動をするメリットを見ると、退職してから転職活動をした方が、自分の希望する条件に合った転職先に決められて良さそうだと感じるかもしれません。
確かにその通りではあるのですが、退職後は収入が途切れてしまうため貯蓄に余裕がない場合は注意が必要です。
収入がなくなっても毎日の生活は続くわけですから、住宅費・食費・光熱費など生活費を支払って行かなければなりません
失業保険制度がありますが、退職してすぐにもらえるわけではありませんし、支給金額や支給期間も決められています。
貯蓄を切り崩して生活することは生活の備えを失うということであり、無収入の期間が長くなればなるほど心にもストレスがかかります。
養わなければならない家族いる場合は家族にも心配をかけることになるため、退職してから転職活動を行う場合は、それ相応の覚悟といつまでに決めるのかという期限を明確にして活動を行う必要があるでしょう
また、働いていない空白期間が長くなればなるほど採用には不利になるため、希望の企業に転職できないという可能性もあります。

転職活動をしてから退職する場合の注意点

現在の勤務先に在籍しつつ転職活動を進める場合の注意点が3つあります。

①転職活動をしていることを知られないようにする
②退職日に余裕をもって伝える
③しっかりと引継ぎする

①転職活動をしていることを知られないようにする
同じチームのメンバーとして顔を合わせている人が転職活動をしていると知ったら、他のメンバーは気分が良くありません
目の前の仕事に身が入っていないのではないか?というような悪い感情を持たれる可能性もあるため、転職活動は他のメンバーに知られないように行いましょう

②退職日に余裕をもって伝える
在職中に新しい転職先が決まった場合は、現在の勤務先へ速やかに退職日を伝えましょう
勤務先では退職者が出た場合、後任の手配や代わりの求人を出すなど、人のやりくりが1番大変な作業になります。
法律上は退職日の2週間前に勤務先へ伝えれば良いことになっていますが、お世話になった会社から円満に去るためにも、可能な限り早めに伝えることが望ましいでしょう。

③しっかりと引継ぎする
退職することを勤務先に伝えたら、後任への引継ぎ資料と引継ぎスケジュールを作成しましょう。
すぐに後任が決まらないことも考慮して、なるべく分かりやすいマニュアルを作成し、残るメンバーが困らないようしっかりと引継ぎをするのが社会人としてのマナーです

まとめ

転職を先にした場合と退職を先にした場合のメリット・デメリットをそれぞれご説明しました。
在職中は安定した収入がある代わりに時間の制約があり、退職後は時間に余裕がある代わりに収入が途切れてしまう上に次の転職先がいつ決まるか未定という不安定な状況になるなど、それぞれにメリット・デメリットがあります。
冒頭に述べた通り、どちらが正解ということはありませんので、貯蓄状況・家族の有無など自分の置かれた状況によってどちらが最適か判断しましょう。