ストレスを解消できる食べ物は何が良いでしょうか?

「最近イライラが目立つ」「ちょっとしたことで腹を立ててしまう」「不安を強く感じてしまう」など、気付けばストレスを抱えてしまっていることも少なくないのではないでしょうか。
ストレスを解消しようと、身体を動かすために運動をすることや、趣味に没頭する時間を作る、音楽を聴いて心を落ち着かせようとするなども良いですね。
その他にも食べることでストレスを発散させる人もいますが、実はストレスを解消するためには「どのような食事を摂るか」にも目を向けることが大切です。
食事の栄養素にはストレスを和らげることができるものがあり、心を落ち着かせることができます。ストレスを解消するため、食事の内容を見直すことでさらに効果を発揮することが可能なのです。
ストレスを解消してくれる栄養素を含む食べ物って何?
ストレスを解消するためにはどのような食事が良いのか、その栄養素の仕組みを理解し、効率よく取り入れられるようにしましょう。

精神を安定させてくれる「トリプトファン」
トリプトファンとは、人間の健康維持に欠かせない必須アミノ酸の一つで、ストレスを緩和させ「幸せホルモン」と呼ばれる「セロトニン」を作り出す唯一のアミノ酸です。また、良質な睡眠を促すための「メラトニン」の元にもなっています。
ですが、実はこのトリプトファンは体内で作り出すことはできず、食べ物やサプリメントから摂取する必要があります。
トリプトファンが多く含まれる食べ物
・乳製品(牛乳・チーズやヨーグルトなど)
・肉類(牛・豚・鶏の特にレバー)
・大豆製品(納豆・豆腐・豆乳など)
・ナッツ類(かぼちゃの種・ごま・あまに・カシューナッツなど)
気持ちを穏やかに保つ「ビタミンC・E」「ビタミンB群」
ビタミンと言えば様々なからだの機能をサポートする栄養素の一つ。
「ビタミンC」は抗ストレスホルモンと呼ばれる「コルチゾール」があります。「コルチゾール」の働きは様々ありますが、体内の血糖値を一時的に増やし、身体がストレスに対処する準備をしてくれます。また、「ビタミンE」も「コルチゾール」の生成に関係があり、ともに作用しあいながら様々なストレスに抵抗する力を作ってくれます。
「ビタミンB群」は「ビタミンB1・B2・・・」など様々なものがあります。ストレスを対処しようとすると脳は多くのエネルギーを使います。脳の栄養素となるブドウ糖を効率よくエネルギーに変えるためにはこの「ビタミンB群」によるサポートが必要となってきます。「ビタミンB群」が足らずに、脳がエネルギー切れになってしまうと「集中力が続かない」「落ち着きがなくなる」「ストレスを抱えやすくなる」などの状態になってしまう可能性があります。ビタミンB群の中でも特に「ビタミンB1」「ビタミンB2」「ビタミンB6」がストレスに対し、特に効果があります。
ビタミンCが多く含まれる食べ物
・果物(みかん・イチゴ、レモンなど)
・緑黄色野菜(キャベツ・ゴーヤ・パセリなど)
・芋類(じゃがいも、サツマイモなど)
ビタミンEが多く含まれる食べ物
・ナッツ類(アーモンド・ヘーゼルナッツ・落花生など)
・大豆製品(大豆・納豆・豆乳など)
・卵・うなぎ・ツナ缶など
ビタミンB群が多く含まれる食べ物
・赤みの魚や肉類(カツオ・マグロ・牛、豚などのレバー)
・玄米、雑穀米など
・豆類(あずき、落花生など)
イライラを抑えてくれる「カルシウム」
「イライラしている人=カルシウム不足」とはよく聞く話ですが、実は「カルシウム不足」と「イライラ」は関連するわけではありません。ですが、カルシウムには脳の興奮を抑える働きがあります。
「カルシウム」の99%は骨や歯を構成しており、残りの1%が血液や細胞に存在しています。カルシウムは骨などに蓄えられ、血液に一定量が流れるように調整されています。このことから、カルシウムの摂取が直接イライラの予防や解消に直結するわけではありません。
カルシウムが多く含まれる食べ物
・乳製品(牛乳・チーズ・ヨーグルトなど)
・大豆製品(豆腐・油揚げなど)
・小魚(ししゃも、サクラエビなど)
・緑黄食野菜(小松菜・菜の花など)
カルシウムの強い味方「マグネシウム」
「マグネシウム」はカルシウムの吸収率を高め、ストレスを和らげる効果があります。カルシウムを効率よく取り入れるためにも一緒にたべることがおすすめです。その他にもカルシウムとマグネシウムは切っても切れない密接な関係となっています。また、マグネシウムはストレスがかかると減少してしまいます。ストレスによりマグネシウム不足になってしまうと、ドーパミンの減少からセロトニンの減少、それによりメンタル不調へとつながってしまいます。
マグネシウムが多く含まれる食べ物
・海藻類(ひじき・わかめ・こんぶなど)
・ナッツ類(アーモンド・カシューナッツなど)
・大豆製品(納豆・豆腐・豆乳など)
・ココア、チョコレートなど
手軽に栄養素を摂ることができるストレス解消の食べ物
ストレスを解消することができる食べ物として、材料に「牛乳」「大豆」「卵」が入っているものを選ぶことで、イライラや興奮した気持ちを落ち着かせることができます。前述にあるような「トリプトファン」「ビタミンC・E・B群」「カルシウム」「マグネシウム」が入っている食べ物を意識するとよいでしょう。
・ヨーグルト
ヨーグルトは牛乳が原料となっており「トリプトファン」や「カルシウム」を含んでいます。さらに果実入りの物を選ぶことで、「ビタミンC」を一緒に取ることができます。
・サラダ
生野菜には様々な栄養素が入っていて、ストレスを軽減する優秀な食べ物です。卵やお肉などが入ったサラダを選ぶことで前述にある栄養素を多く摂り入れることができ、効果もさらに上がります。
・おつまみ
卵や枝豆、ナッツなどのたんぱく質が豊富なおつまみには「トリプトファン」が含まれています。その中でも枝豆は栄養価が高く「トリプトファン」の他に「ビタミンB・E」「カルシウム」「マグネシウム」と豊富に含まれた食材です。
・ホットココア
ココアに含まれるカカオには「マグネシウム」が多く含まれています。さらにココアパウダーをお湯ではなく、温めた牛乳で割ることで相性のいい「カルシウム」を一緒に摂ることができます。また、温かい飲み物には心を落ち着かせてくれる効果もあるので、ストレスを感じた際はホットココアを飲むといいでしょう。
ストレス解消に実は逆効果?甘い食べ物は要注意
頭を使った作業の後や、イライラなどストレスを感じると甘いものを食べたくなる人も多いのではないでしょうか。甘いものを食べたくなるのは、ストレスを感じると脳が糖分を欲するためです。糖分を摂ることで、血糖値が上昇し、一時的にストレスが緩和されます。また、甘い食べ物には「セロトニン」や「ドーパミン」である「幸せホルモン」が分泌され、ストレス緩和に効果があります。
ですが、ストレス解消と思い、甘いものを食べることが逆効果となることもあるので注意が必要です。摂った糖分を消化するためには「ビタミン」や「カルシウム」が必要となります。ストレスを緩和させるためのビタミンやカルシウムが失われてしまうこととなってしまい、結果ストレスを緩和するためにしていることが、さらにストレスを与えてしまっているといった悪循環となってしまいます。また、「幸せホルモン」も日常的に摂り入れてしまうと脳がこの快感が癖となってしまい、依存症となってしまう恐れがあります。甘い食べ物を摂る時は逆効果とならないよう、摂りすぎには注意しましょう。
食べることでのストレス発散は要注意!
また、食べることをストレス発散する人も少なくないはずです。ですが、食べることでのストレス発散にも注意が必要です。
ストレスを感じると、人の体内で「抗ストレスホルモン」である「コルチゾール」が分泌されます。コルチゾールは食欲を抑制するホルモン「レプチン」を減少させてしまう効果があります。その結果、暴飲暴食となってしまいます。ドカ食いをすることで、血糖値が一気に上昇し、それを抑えるために糖が必要となり、また食べることを繰り返してしまい悪循環となってしまいます。
ストレスは暴飲暴食となってしまう要因の一つですが、さらに糖尿病など生活習慣病にもつながってしまうおそれがありますので、特に注意をしてきましょう。
食べてストレスを発散したいと思った時は、温かい飲み物を飲み、心を落ち着かせる方法や趣味や運動をするなど違った解消法を摂り入れるようにしましょう。
ストレス解消できる食事を摂り入れ、穏やかな日々を。

美味しいものを食べると幸せな気持ちになりますよね。食べることでストレスを解消する時に「これだけを摂っていたら大丈夫」と言うものはありません。
たくさんある食材の中でも牛乳や大豆、卵は今回取り上げたストレスを解消するために必要な栄養素「トリプトファン」「ビタミンC・E・B群」「カルシウム」「マグネシウム」をバランスよく摂ることができます。普段の食事に摂り入れることで、感じていたストレスを解消でき、抵抗力もつけることができます。
イライラした時やストレスを感じたときはこれらの物を摂り入れ、穏やかな日々を過ごしましょう。