セクハラ?女性社員と握手はしない方がよい?

女性社員への握手を求めることに対して、セクハラになるのでは?と疑問に思ったことはありますか?激励や今後の期待を込めて社員へ握手をする人も少なくありません。ビジネスシーンにおいて取引先との契約が成立した時や今後の付き合いをしていく上で握手を求めることや求められることはよく見られる光景です。
人間関係を良好にするための方法としてスキンシップはとても有用な手段として用いられます。ですが、握手をもとめる相手が女性社員であればどうでしょう。現代社会において女性が活躍できる場が増えてきている一方、セクハラやパワハラと言ったハラスメントも多くあります。同性であれば特に問題がない行為であったとしても、女性に対しては注意が必要な言動がいくつもあります。その中で今回は「女性社員に対しての握手」について考えてみましょう
セクハラの種類と判断基準は?
まず初めにセクハラの判断基準について整理しておきましょう。
セクハラとは大きく分けて「対価型セクハラ」と「環境型セクハラ」の2種類があります。
・対価型セクハラ
自分より目下の人に対して地位を利用し、性的関係を強要する。相手が拒否すると降格や減給、異動、退職などの不利益となることをちらつかせる。
「社長が女性社員に対して、性的な関係を要求するも、拒否したために解雇させる」など
・環境型セクハラ
立場や上下関係に関わらず、職場で性的な言動を繰り返し、周囲を不快にさせ職場環境を害する
「女性社員が上司より何度も胸や腰を触られ、仕事意欲が低下している」など
ではセクハラについて「どこからがセクハラで、どこまでがセクハラではないのか」という判断基準ですが、セクハラには明確な基準はありません。一般的には「セクハラをした人の言動が、相手の意に反しているかどうか」「相手が不快と感じていたかどうか」が判断のポイントとなります。
女性社員に握手をもとめることはセクハラになるの?
セクハラには明確な判断基準がないとお伝えさせていただきましたが、では女性社員に対して握手を求めることはセクハラになるのでしょうか。
そこでポイントとなることが、握手を求めることで「相手がどのように思うのか」です。外国であれば握手やハグ、さらに頬へのキスなどは挨拶の一つとして習慣がありますので抵抗も少ないでしょう。ですが、日本人は挨拶に握手やハグを日常的にしている人は少ないはずです。日本の挨拶はお辞儀が主であり、握手やハグなどは慣れていない人も多いものです。
慣れない握手を求めることは相手に戸惑いや、不快な思いをさせてしまうことがあります。また、握手を求める相手が女性であれば、肌に触れられることを嫌がり不快に思わせてしまうことからセクハラとなる可能性があります。それが例え、励ましや激励の意味があったとしても相手が不快に思うのであればセクハラとなり得るでしょう。
セクハラにならないようにするために避けるべき行動

では、セクハラにならないためにはどのようにすれば良いでしょうか。結論としては、「不必要なボディタッチやスキンシップは行わないこと」です。
全ての女性がそうとは限りませんが、「次の仕事は一緒に頑張っていこう」といった思いから握手を求めることや、落ち込んでいる女性職員に対して、励ますつもりで肩をポンと叩く行為一つでも、「なぜ仕事を頑張ることに握手を求められるの?気持ちが悪い」、「肩を触ってきて嫌な思いをした」など思われることでセクハラとなってしまう可能性があります。
「握手くらいならなんとも思わないけど肩に触れられることは嫌だ」「片手での握手はいいけど、両手は気持ち悪い」「肩を叩くくらいは気にしない」「頭を撫でられる事は不快に思う」など女性によって許せる範囲と不快に思う範囲はそれぞれ違います。このように不快に思うポイントが違うからこそ、女性の捉え方によってセクハラかどうかも大きく変わります。また、対象者でなくとも握手をしている姿や、肩を叩く姿などを見た他の女性職員が不快な思いをする場合もあります。これらのことから、セクハラになり得る行動は避け「不用意なボディタッチやスキンシップは行わない」ようにしておきましょう。
セクハラは重い処分になる場合もあるので注意しておきましょう

そもそもセクハラの定義に「相手の意に反したもの」とあります。しっかりとした同意があり、相手の意思に反していないのでセクハラには当たりません。ですが、本当に同意を得られているのか注意が必要です。女性職員に握手を求める行為で、「手を差し出されたので握手せざるを得なかったので仕方なく」と言われてしまった場合は同意を得たことになりません。
自分では相手の同意があったと思っていても、後からセクハラだと指摘されることもあります。セクハラの加害者となってしまった場合には「異動命令」「自宅待機」「事実調査」「懲戒処分」「退職推奨」「懲戒解雇」などの対処がなされます。最悪の場合セクハラで訴えられることもありますので注意が必要でしょう。
「悪気もなく、セクハラだと思わずにセクハラと言われた」ということもありますが、本当にそうでしょうか。「自分はセクハラをしているつもりはなかった」「モチベーションを上げようと思ってやった」「落ち込んでいたので励ましてあげたかった」と思っているのは「自分だけ」かもしれません。相手が嫌がっていることに気づけていなかったのだと反省し、会社の指示に従い謝罪の場を設けてもらうなど対応するようにしましょう。また、セクハラと言われた場合は「被害を訴えた人への報復」「被害者と直接話し合う」「目撃者や同僚など第三者に事実確認をする」などの行為を行うことは、より重大な責任追及をされる恐れもありますので注意が必要です。
「その行為がセクハラだったということを自覚、理解し、しっかりと反省をし、謝罪する」ことが大切です。
その握手は本当に必要ですか?考えて行動しよう
女性社員に対して握手を求めることが、セクハラになる可能性があることをご理解いただけたかと思います。女性によって「握手くらいは大丈夫」と思う人もいれば「握手でも不快」と思う人もいます。価値観はその人それぞれ違うように不快に感じるかどうかも様々です。性的な意味はなく握手を求めたことに、女性は渋々受け入れたのかもしれません。その行為が後々セクハラと言われることもありますので、女性社員がどう思うのかを考え、必要がないスキンシップやボディタッチなどは行わないようにしましょう。