ストレス解消に良い、音楽は何が良いでしょうか?

あなたはどんなストレスを抱えていますか?
家庭でのストレスや仕事でのストレス、人付き合いのストレスと、人は生きる中で様々なストレスを抱えて生活をしています。そんなストレスを解消する方法は体を動かし汗を流す、のんびりと過ごす、好きなことに没頭する、音楽を聴くなど様々なものがあります。その中で、誰でも取り入れやすいストレス解消法として、音楽があります。音楽にはストレスを解消することができると医学的にも立証されており、医療現場などでも音楽療法として取り入れている病院や施設などもあります。そこで、音楽を聴くことでなぜストレスを解消することができるのか、その理由と音楽の選び方などを解説していきますので、ご参考ください。

ストレスを抱えると身体に及ぼす影響

まず、ストレスはうまく発散できず、ため続けてしまうと身体に大変な影響を及ぼすことを知っておきましょう。ストレスには「警告反応期」「抵抗期」「疲憊(ひはい)期」の3つのプロセスがあります。
「警告期」
疲れやすい・肩が凝る・頭痛がする・眠気・イライラすることが増える・ミスが多くなる・物事が面白くなくなるなどの身体や心が危険信号を出す時期です。
「抵抗期」
ストレスに対する抵抗力が増え、身体がバランスを保とうとしている時期です。多くの場合はこの時期にストレスを解消することで、症状の悪化を防ぐことができます。ですが、
「疲憊期」
ストレスに抵抗できない状態となり回復が難しく、大きな病気へと発展するリスクが高くなります。
ストレスとは上記の3つのプロセスからなり、少しの疲れ(警告期)はあるけれどそれがストレスからきているものだと自覚できていないことが多く、「たいしたことはない、大丈夫」と思い、数日で疲れがいったん取れてしまいます(敵後期)。この時期は疲労が興奮に変わり一見安定しているように感じますが、この時期にストレスケアをしておかなければ、抵抗力が弱まり心身に問題が生じてしまう(疲憊期)可能性があります。このようにストレスは自分では気づかないうちに心身をむしばんでいき、私生活にも大きく影響してしまうことになってしまう可能性があります。

音楽がストレス解消になる?「同質の原理」とは

音楽には、アップテンポなものやスローテンポなど様々な種類があります。では、疲憊期に移らないために、抵抗期にどのような音楽を取り入れると効果的なのでしょうか。
音楽療法の理論の一つに「同質の原理」と呼ばれるものがあります。「同質の原理」とは、その時の感情や気分に合う音楽を聴くことで、精神的に良い方向に向かわせるというものです。
陽気な気分の時にはアップテンポの曲などを聴き、気持ちもさらに上がりますが、気分が落ち込んでいるときに、何とか気持ちを上げようとアップテンポな曲や明るい曲を聴いても陽気な気分になることはなく、それは逆効果となります。このような状態で明るい曲などを聴くと「周りは楽しそうにしているのに、自分だけが不幸だ」とさらにマイナスに感じてしまいます。イライラしているときに気分を落ち着かせようとして、スローテンポな曲や癒し系音楽を聴いてもあまり効果は期待できません。失恋をしたときに、楽しそうな恋愛の歌よりも失恋ソングの方が効果的と言われています。
このように感情とは逆の音楽を聴くことはストレスを解消するどころか、逆にストレスを増強させてしまうことになります。落ち込んでいる時や悲しい気持ちの時は、無理に元気になろうとしなくても良いのです。まずは自分の気持ちを確認し、その気持ちと共感できるものや、感情に合った音楽を聴くことで、心を落ち着かることがストレス軽減につながるといわれています。
この「同質の原理」を理解し、選曲をすることがストレス解消のポイントとなります。

ストレス解消になる音楽の選び方

前述でもリラックスできる音楽と聴くとクラシックやヒーリングミュージックなどが思い浮かびますが、その時の感情にその音楽がマッチするのかどうかが重要です。

前述でもあるように、音楽はその時の自分の感情とあったものを聴くことがストレス解消につながっていきます。

今の感情に合わせた音楽を選ぶ

イライラした気分の時や興奮時には激しめの曲を選ぶことが効果的です。逆に落ち込んでいる時や悲しい時などはスローテンポな落ち着いた音楽がおすすめです。気持ちが落ち着いてきたら、少しずつテンポを上げていくと元気が出てきます。ただ、落ち込んでいるときに暗い音楽を聴き続けることはさらに気分を落ち込ませてしまうので注意が必要です。
疲れている時や集中したい時などはリズムや響きがシンプルな曲調の音楽を選び、人恋しい時はエモーショナルな表現がされた音楽を聴くこと良いでしょう。音楽の世界観に入りこむことで歌詞に共感し、勇気づけられることや、励まされるなど心を穏やかな気分にしてくれます。
その時に感情を無視して、真逆の音楽を聴くことはストレス解消とは逆にストレスを与えかねません。今の感情と向き合い、その感情に合ったものを選ぶようにしましょう。

選んだ音楽をより効果的に


音楽はストレス解消につながりますが、時間も気にしておくことでさらに効果を発揮することができます。
音楽に集中する時間を30分から1時間ほどで良いので時間を作ってみましょう。仕事中や家事の時など、何かに集中しながら音楽を流すだけでも効果があります。ですが、いつも同じ時間に同じ音楽を聴いていると飽きてしまい、ストレス解消の効果が薄れてしまうことがあります。そのようなときは選曲を変えてみることや、音楽を聴かない日を作るなど抑揚をつけるなどの工夫もしてみましょう。
また、音楽に集中するためにイヤホンやヘッドホンを使うことでさらに効果をアップさせることができます。イヤホンやヘッドホンをして音楽を聴くことで周囲の雑音が耳に入らず、音楽に集中することができます。
音楽を聴くときは時間や聴き方を工夫することでストレス解消の効果をさらに上げることができます。

聴くだけじゃない、音楽がもたらす効果

音楽を聴くことでストレス解消に大きな効果が期待できます。ですが、ストレスの解消方法は音楽を聴くことだけではありません。
カラオケに行くと「気分がスッキリした」「ストレス発散になった」と多くの声があります。なぜ、カラオケに行くことがストレス解消につながるかは「カタルシス効果」が関係しています。
「カタルシス効果」とは、心の中にたまった不安や悩み、怒りなどの感情を言葉や行動でアウトプットすることで苦痛が緩和され、安心感を得られることをいいます。普段はなかなか言えないことを言葉にして伝えることができると「スッキリした気持ちになった」と感じる人も多いのではないでしょうか。これがカタルシス効果です。
カラオケで普段なかなか言葉にできないことをメロディーに乗せて吐き出すことで大きな効果が期待できます。カタルシス効果を最大限に発揮させる選曲としてはなるべくポジティブな歌がおすすめです。ポジティブな歌詞はそのまま自分に送るメッセージとして返えってきて、スッキリとした前向きな気持ちになることができます。また、仲の良い友達と一緒に歌うことで、その場の楽しい雰囲気も相まって、さらに効果を期待することができます。
また、歌う以外にも楽器を演奏することも解消法の一つとして挙げられます。楽器を演奏することは頭や身体を使うことになり抱えているストレスを発散する効果があります。楽器にはピアノやギター、ドラムなど様々ありますが、上手い下手は関係なく、楽しんで演奏することがストレス解消につながります。

音楽でストレスをなくし楽しい生活にしよう。

音楽を聴くことや歌うこと、演奏することで効果的にストレスを発散することができます。イライラしているのか、不安な気持ちなのか、今の自分の感情と向き合い、その感情に合った曲を選んで聴くことがより効果を期待することができます。
日々の生活に音楽を取り入れ、疲れやストレスをうまく解消し、より楽しい生活を送れるようにしていきましょう。